他人の悪口を言わない方がいいのはなぜか
人は自分の顔を見る時、鏡をのぞく。そこに自分の姿が写し出される。
ほとんどの場合、鏡に写っている姿は、自分の理想としている姿と程遠い。自分自身の認識と実像とがズレているのである。それはストレスを感じることなので、鏡や写真で自分を見るのは嫌いだという人は案外と多い。
そうした自分の姿を醜く思う気持ちは、他人を醜く思う気持ちと実は違いがない。つまり人は他人を醜く思うと、同時に自分自身を醜く思うのである。
他人には自分自身の欠点や嫌いところが如実に写し出される。他人なので躊躇することなくはっきりと見える。そこで錯覚する。「これは他人の欠点であり、自分とは関係ない」
それは勘違いである。他人は鏡だ。まさにそこに自分の姿が写し出されている。その姿を悪く言って言葉にする時、その欠点は確定されてしまうのである。
人は他人の悪口を言えば言うほど、自分のことを嫌いになるのである。
他人の悪口をいうときに、同時に自分の悪口を言っており、それを確定してしまっていることを意識していると、自分の言葉を見張るようになる。「自分は自分のことを何と言っているか。どう評価しているか。」
自分で自分を評価するコメントは、他の誰からのコメントよりも一番説得力がある。疑問を持たず納得して受け入れるのである。